万一に備えるための〜保険の相続対策
万一に備えるための〜保険の相続対策
文書作成日:2025/06/05
養老保険の契約者・受取人変更と税金

養老保険の契約者と保険金受取人を変更する予定です。この場合、税金の取扱いはどうなりますか?

Q
今月のご相談

 母は満期まで残り約2年の養老保険に加入しています。
 先日、母からこの契約の名義を私に変更するため、手続き書類にサインをするようにいわれました。契約者と保険金受取人を変更する手続きです。保険料はこれまで母が支払っています。
 変更後は、私が満期まで約2年分の保険料を支払い、満期保険金は私が受け取ることになります。母が保険料を支払っていた期間の方が長いので、税金が心配になり、手続きは保留にしています。今回の名義変更で、税金の取扱いがどのようになるか教えてください。

【家族構成】
 母、私(未婚)
【生命保険の契約内容】
  • 保険種類:養老保険
現状 変更後
契約者(保険料負担者)
被保険者
満期保険金受取人
死亡保険金受取人
A-1
ワンポイントアドバイス

 生命保険は、名義を変更した時点では課税関係は発生しません。保険金等を受け取ったときや、保険料を負担していた人が死亡したときに課税関係が生じます。税金の取扱いについては、名義変更前と変更後に支払った保険料の割合をもとに按分して別々で考えます。詳しい内容は、詳細解説をご参照ください。

A-2
詳細解説

 今回のご相談の場合、税金の取扱いは次のとおりになります。

(1)ご相談者様が受け取る満期保険金

  • お母様が支払った保険料に対応する分
    お母様からご相談者様への贈与と扱われ贈与税の対象となる
  • ご相談者様が支払った保険料に対応する分
    ご相談者様の一時所得として所得税の対象となる(※)

(※)一時所得計算上の必要経費は、ご相談者様が実際に支払った保険料に限られる。

(2)保険期間中にお母様が死亡したとき

  • お母様が支払った保険料に対応する分
    「生命保険契約に関する権利」として相続税の対象となる
  • ご相談者様が支払った保険料に対応する分
    保険期間中にお母様が亡くなった時点では課税への影響はない。
    「生命保険契約に関する権利」を相続により取得した後に、ご相談者様が受け取る満期保険金は、ご相談者様の一時所得として所得税の対象となる。一時所得を計算する際の必要経費は、お母様が支払った保険料も含まれる。

(3)お母様が受け取る死亡保険金 (お母様より先にご相談者様が亡くなったとき)

  • お母様が支払った保険料に対応する分
    お母様の一時所得として所得税の対象となる
  • ご相談者様が支払った保険料に対応する分
    ご相談者様のみなし相続財産として相続税の対象となる

 生命保険は、保険料負担者と受け取る人の関係によって税金の取扱いが異なります。
 契約者を途中で変更した場合、実際の保険料負担割合で按分計算されることとなります。所得や資産の状況を十分に考慮して変更されることをお勧めします。

 名義変更に伴う税金の取扱いに関するご相談は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
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