トラブルにならないための〜法律の相続対策
トラブルにならないための〜法律の相続対策
文書作成日:2026/03/20
遺産分割前の預金の払い戻し

今回は相談事例を通じて、遺産分割協議前でも預金の一部を引き出せる「遺産分割前の預金の払い戻し制度」について、ご紹介します。

Q
今月のご相談

 先日、私の夫が亡くなりました。葬儀費用や生活費のためにお金が必要ですが、遺産分割協議をしないと、夫の銀行口座からはお金を引き出せないと聞きました。相続発生後、急にお金が必要になった場合はどうすればよいですか?

A-1
ワンポイントアドバイス

 亡くなった方の預金は、遺言があれば遺言で指定された方が引き出せます。しかし、遺言がない場合は、相続人全員で「遺産分割協議」を行い、相続する方を決めなければ、原則として引き出すことはできません。
 ただし、一定の金額までであれば、相続人の一人がお金を預けている金融機関に申し出ることで、遺産分割協議前でも預金の一部を引き出せる「遺産分割前の預金の払い戻し制度」があります。

A-2
詳細解説

 遺産分割前の預金の払い戻し制度で払い戻しができる額は、口座ごとの相続開始時の預金額の3分の1の額に払い戻しを行う相続人の法定相続分を乗じた額です。ただし、同じ金融機関からの払い戻しは150万円が上限となります。

 この制度を利用するには、預金の払い戻しを受ける方が相続人であること、その方の法定相続分が確認できる書類等が必要になります。具体的には、亡くなられた方の出生から死亡までの戸籍謄本一式、相続人全員の戸籍謄抄本(または法定相続情報一覧図の写し)や、払い戻しを受ける方の印鑑証明書が必要になります。

 なお、金融機関によって必要書類や手続きが異なる場合がありますので、詳しくは取引のある金融機関にお問い合わせください。

 この遺産分割前の払い戻しは「仮払い」のような扱いであり、遺産分割の結果に反映されます。引き出した分は相続分から差し引かれるため、最終的な遺産分割の公平性は損なわれません。

 もっとも、遺産分割協議が未了のままだと、預金の引き出しだけでなく、その他の財産の管理や処分にも制約が生じ、相続手続き全体がスムーズに進まなくなる可能性があります。

 相続は法律や手続きが複雑な場合が多いため、ご自身だけで進めるのが難しいこともあります。専門家である弁護士や司法書士、税理士に相談することで、適切なアドバイスや手続きのサポートを受けられ、安心して相続手続きを進めることができます。お困りの際は、専門家にご相談ください。

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